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彼の叔母のお葬式に参列するため、お昼にパリから120kmほどのところにあるイリエ Illiers へ。イリエはプルーストの『失われた時を求めて』に登場するコンブレー Combrey という町のモデルになった町。親戚が幾つか家を持っていたので、彼の曽祖父の名前の通りがあったりと家族に馴染みの深い土地です。
昨日パリ郊外でミサがあり、今日は亡くなった叔母が洗礼式を受けたというイリエのサン・ジャック教会でお葬式。フランスでは結婚式は新婦と繋がりの深い土地で行われることが多いので、叔母はこの教会でまだ赤ん坊の時に洗礼を受け、その後結婚式を挙げた。 カトリックの影響が弱くなっていても、一部の人にはこうしてまだ教会が節目節目で大切な意味を持っているのだなあ…、と、しんみり思いにふけりながらふと教会の奥を見ると、さっきまで一緒にしゃべっていたフィリップ伯父さんが聖職着に着替えて祭壇に立っている。 叔母は3人兄弟の後に生まれた唯一の女の子で、一番上の兄にあたるのが神父のフィリップ伯父さん。もしかしたら残された兄弟は、叔母の洗礼式の記憶もあるのかもしれない。 自分の妹の葬儀を神父として取り仕切るなんて…。見ているだけで胸が痛くなった。 でも家族というだけあってお葬式の間も神父というより兄としての言葉が多く、今までフランスで参列したお葬式の中で一番親密度の高いお葬式だった。悲しい出来事なので日本との葬儀の違いなどはちょっと書く気がしないのだけど、今回一番強く思ったことを一つ。 埋葬だと、亡くなった人がまだ去った気がしない。(あくまでもわたしの感覚です) 日本のお葬式だと出棺あたりが気持ちの大ピークで、あぁ、火葬されてしまう!と思ってももう止められず、火葬後はなんだかホケっと気が抜けてしまう。もうそこにはいないというのをまざまざ見せつけられて、嫌でもさよならをしないといけないというか。綺麗な骨となった姿を見て、灰となって天国に昇っていったのだなあと思ったりする。 カトリックのように今まで教会で声をかけていたお棺をそのままお墓の中に下ろすと、まだそこにいるのに!という気がせずにはいられなかった。お墓を離れる時に小さな孫の一人が「こんなところにおばあちゃんを置いていけない!」と泣き出してしまったのだけど、子供にしてみれば暗い穴の中におばあちゃんを見捨ててしまうような気持ちだったのかもしれない。 あとやっぱりもう一つ、ほほぅ…と思ったこと。(不謹慎ですが) 今までミサまでで埋葬までのお葬式に出たことがなく、お墓を歩く度に「家族の墓」ってどうなっているのだろうと思っていた。中にたくさん入っているんだよと聞いてはいたけれど見ないとよく分からなかったのですが、蓋をあけると蓋スペースより断然中は広く深く、そこにお棺が積み重なる感じ(まあ、たくさん入っていると聞いていた通り…)。イタリアのカタコンブの現代版という形でした。。以上。。
by hirochotto
| 2010-03-26 23:23
| France 生活
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沈没期間中に「本もTVも見れないんだよね」と分かってくれる人がいると「そうなのよ~」と嬉しかったのだけど、思考能力ゼロ、この間の記憶とても薄いです…。そんな中、何度も読み返していたのが『僕とポーク』。ネットで一日一ページ読む感覚で、ちまちまちまちま絵を眺めていました。ほしよりこさんの漫画に登場する大人っぽい子供、子供っぽい大人たち、最高です。
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